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非接触ICカード搭載携帯電話には、出荷段階から電子マネー「E」が導入されており、またEを利用できる加盟店の規模も拡大しているため、取扱高が拡大を続ける。
さらに、JR東日本が提供する「SUicA電子マネー」、日本航空が提供する「JA電子マネー」といった類似サービスも広がり、電子マネーの利用シーンの成長とともにモバイルでの非接触ICカード利用頻度は拡大する。
また、非接触ICカード搭載携帯電話にクレジットカード機能が付加されることも、モバイル決済市場の底上げになるものと考えられる。
しかし、モバイルでのクレジットカードが利用できる加盟店を開拓すること、クレジットカードといった国際標準サービスに日本固有ともいえる非接触ICカードへのインタフェースを導入するといった越えなければならないハードルも存在する。
市場、特に利用者が、クレジットカードと携帯電話でのサービスを別物と認識した場合、このハードルを越えることができない可能性もある。
モバイルプラットフォーム市場は、第6章プラットフォーム市場でも触れている通り、プラットフォームサービス単体では採算をとることが困難な領域である。
したがって、事業者の本業を補うために、本業の売上を増加させる手段として位置づけられてきた。
携帯通信事業者が、コンテンツの代行課金を行ってきたのがその例である。
しかし、今後は携帯通信事業者に限らず、さまざまな業界からモバイルプラットフォームを提供する事業者が参入してくるものと考えられる。
モバイル決済にかかわる部分ではクレジットカード会社が、交通系では鉄道事業者や航空事業者が、本業を補完し顧客を囲い込む手段としてモバイルプラットフォーム展開を本格化していくことであろう。
なお、放送波を受信できる機能を搭載した携帯電話が2006年より本格的に登場する(アナログ放送を視聴できる端末はすでに存在している)が、放送にかかわるビジネスモデルと、そのモバイルプラットフォームの動向は、現時点では不明確であるため本稿では触れていない。
当市場は、携帯電話向けに、有料のコンテンツを配信するサービスの売上で構成されており、ユーザーに無料で提供されるコンテンツの市場は含まれていない。
着信メロディ(含む着うた、着声)、ゲーム、壁紙ダウンロードなどの「エンターテインメント系市場」と、ニュースや天気予報などの「情報サービス系市場」の2つにより構成される。
モバイルコンテンツ市場は、2005年度には2930億円、2010年度には3580億円に拡大していく。
本市場は、エンターテインメント系市場と情報サービス系市場に大別される。
エンターテインメント系市場は、2005年度には2000億円を突破するものの、その後、伸び悩み、2008年度にピークを迎える。
一方の情報サービス系市場は、2005年度に800億円規模になり、その後もゆっくりと市場を拡大する。
エンターテインメント系市場は、携帯電話端末の高機能化、高スペック化により、コンテンツの高度化が進み、第3世代携帯電話ユーザーの拡大と相まって、市場の裾野が広がる。
一方で、パケット定額料金化の影響と、フルブラウザの登場により、インターネットのコンテンツとの競合が始まる。
このため、携帯電話は3580億円に拡大していく。
第3世代携帯電話の普及にともなう携帯電話の機能アップとともに、インターネットのコンテンツとの境界が崩れていく。
携帯電話ならでさのコンテンツが求められる。
新規ユーザーの大幅な拡大が望めなくなっていく中で、通信事業者、コンテンツ事業者とも、インターネットのコンテンツ事業者との競合に備え、新たなビジネスモデルが必要となる。
モバイルコンテンツ市場は、大きな転換期を迎えつつある。
通信速度の高速化と端末性能の向上によって、コンテンツの質と量に対する制限が緩和され、モバイルとインターネットとの垣根が低くなる。
フルブラウザが標準で搭載された端末では、通信事業者のポータルサイトはインターネットのそれと競合することになる。
「着うたうル」などの新たなコンテンツが登場しているが、同時に、米国で登場したI対応端末が日本でも発売されれば、携帯電話に特化したコンテンツと、真っ向から競合する。
さらに、パケット料金の定額化が、これらの流れを加速させる可能性がある。
また、2006年度中に予定されているモバイルナンバーポータビリテイ(MNP)の開始にともない、コンテンツプロバイダーの整理と統合がうながされる。
向けの市場は停滞の兆しを見せる。
情報サービス系市場は、既存の情報提供を主としたコンテンツに加え、さらに個人ユーザーのデータベースを活かしたコンテンツやサービスの普及により、市場の拡大が続く。
2004年以降、「フルブラウザ」を標準で搭載する端末が、複数登場している。
通常の携帯電話は、モバイル向けのサイトを見ることを前提に、専用ブラウザが搭載されているため、一般的なインターネットのサイトを閲覧しようとすると、処理できなかったり容量オーバーになったりする。
フルブラウザは、PC向けのサイトを閲覧することができるように設計されたブラウザであり、これを利用することで、携帯電話から一般のインターネットサイトを比較的スムーズに閲覧することができる。
フルブラウザヘのユーザーのニーズは古くからあったが、現在では2つの実現方法がある。
1つはコンテンツプロバイダーが、iアプリやEzアプリでフルブラウザを製品化し、ユーザーがそれをダウンロードして利用する場合であり、もう1つは携帯電話端末の標準アプリケーションとして搭載されているフルブラウザを利用する場合である。
このフルブラウザが、これまでのモバイルコンテンツ、特に情報サービス系ビジネスを大きく変える可能性がある。
一般に、インターネットでは天気予報やニュース配信は無料で提供されている。
一方で、モバイルの世界においては、詳細な天気予報やニュース速報などは有料化されていた。
フルブラウザが普及すれば、ユーザーは有料のモバイルコンテンツではなく、無料のインターネットサイトへと流出することになるだろう。
これはコンテンツ事業者にとって、死活問題である。
また、通信事業者にとっても、ユーザーが自社のポータルサイトにアクセスせず、Y!やgooといったインターネットの大手ポータルに奪われてしまう。
Aが2004年11月からサービスを開始した、楽曲を1曲まるごと携帯電話に直接ダウンロードできる「着うたうル」のサービスは、文字通り右肩上がりにダウンロード数を伸ばし、2005年9月には累計で2000万件に達した。
今後も、「着うたうル」対応端末ユーザーの増加にともない利用が拡大する。
「着」の名に見られる通り、着信メロディが発展したサービスではあるが、実際に着信音として設定するためという目的以上に、お気に入りのアーティストの楽曲を保有したいという目的での利用が多いと考えられる。
一方、米国では、MがAと提携して開発したMROKRが発表された。
いまや携帯音楽プレイヤーとして世界的ブランドとなったAのPodに対して、PC上でCNから音楽を取り込んだり、楽曲の管理をしたりするためにはIという専用ソフトウェアが必要である。
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